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ジオン公国軍に勝利した地球連邦軍は増長し

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宇宙世紀0087。一年戦争終結から7年後の世界が舞台である。

ジオン公国軍に勝利した地球連邦軍は増長し、コロニーに対し支配と圧力を強めていた。やがて連邦軍内部に「ジオンの残党狩り」を名目に、スペースノイドへの強権的制裁を加えるエリート部隊「ティターンズ」が創設された。急速に勢力を拡大したティターンズに反発する一部の連邦軍人やスペースノイド達は、反地球連邦政府組織「エゥーゴ」を結成する。エゥーゴはティターンズの拠点であるサイド7のコロニー「グリーンオアシス」を襲撃、コロニーの住民カミーユ・ビダンがその戦闘に巻き込まれていく。

劇中の物語はここから始まり、エゥーゴとティターンズの戦いを主軸に、地球連邦軍、さらにザビ家の残党が結成した軍事組織アクシズの動きを絡めて描かれていく。

作品解説
空前のヒット作として社会現象にまでなった『機動戦士ガンダム』の続編。富野は本作を「(前作の)拡大、延長ではなく接点を持ちつつも独立した物語」としている[1]。

登場人物およびガンダムのデザインは刷新された。理由は製作サイドがパート2の新しいスタイルを作ろうとしたためである[2]。前作の登場人物は年齢を重ねて再登場する(時の経過により立場や考え方が変わった者もいる)。その理由として富野も「パート2物のパターンを変えたいから」と述べている[3]。

前作の「連邦対ジオン」という明快な図式に対して、本作は連邦軍内部の派閥対立を中心に、アクシズが絡んでくる複雑な構図となっており、政治的要素が増えている[4]。前作に多くみられた戦闘シーンでの駆け引きが減り、ビームライフルの撃ち合いが中心の戦闘が多く描かれた。

旧作のキャストは前作の頃より出演料が高くなり、旧作キャラが一堂に集まるというシーンは制作費がかかりすぎるので作ることができなかった[5]。

ナレーションは劇中でヘンケン・ベッケナーを演じる小杉十郎太が担当した[6]。前作のように戦況を解説するナレーションは少なく、主に本編冒頭のモノローグ、前回のダイジェスト、次回予告が中心であった。次回予告は毎回、「君は、刻(とき)の涙を見る」[7]というキャッチフレーズで締めくくられた。

「ゼータ」に当てられる文字として読みの上で正しいのはギリシャ文字の"Ζ"であるが、入力の容易さ・形状の類似からラテン文字の"Z"(ゼッド)が代用されることが多い[8]。

人物およびメカキャラクターの刷新、作中に次々と登場する専用機や可変MS[9]、そして難解な内容などのために旧作のファンからは不評を買い、作品人気は盛り上がりを欠いたが、新しいファンには受け入れられた[2]。旧作ファンを切り捨ててまで新規ファンを獲得するという本作の方向性はガンダムシリーズの発展上、「間違っていなかった」と後年、評されている[2]。本作は放映当時こそ賛否両論あったものの、20世紀末以降の若いファンにはスタンダードな作品になっている[10]。

本作のラストに関して遠藤明吾は「ZZがあるからカミーユを崩壊させたわけではなくて、(ZZが)あろうが無かろうがああいうラストは延長が決まる前に既に決まっていたんです」としているが[11]、内田健二は「シャアや、カミーユをああいう形にしたのは、続いている番組でありながら、趣旨を変えつつ新しくするために、整理しないとできない部分があった」と述べている[12]。

本作はこれまでの富野の功績に対して、自由を与えられた作品であり、富野は「こんなめぐまれた環境はいくら金を積んだとて得られません」と述べている[11]。

かつて富野はこの作品を大変嫌っており、2000年代のNHKの番組に出演してΖの映像が流れた際「今初めて見直しました」と語った。また「今、放映されたとしたら、あの作品の持つ意味なり、テーマが、より理解されるのでは」とも語っている[10]。

準備稿のタイトルは、「逆襲のシャア」であった(後述の小説版参照)。

商業的事情
『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』、『銀河漂流バイファム』と制作され続けてきたバンダイとサンライズのロボットアニメは商業的にはガンダムに勝らなかった[10]。一方、ガンダムは『模型情報』や『コミックボンボン』などの雑誌で展開していたものの、劇場版三部作が公開されていた当時よりも売上が落ち込んでいた。雑誌中心では露出不足が懸念され、新規ファン獲得にはテレビアニメが望まれた。そこでバンダイが本作を企画した。このため村上克司などのバンダイ関係者が製作に関与している。また前作のスポンサーであり、玩具を商品化したクローバーが倒産していたため、前作ではプラモデルの商品化のみだったバンダイが玩具も担当している。

この当時は『超時空要塞マクロス』のバルキリーや『トランスフォーマー』のような変形ロボが人気だったため(ただしトランスフォーマーが日本にて展開を開始したのは本作の放送開始後)[15]。新規ファン獲得のためには「変形」という要素が重要視された[13]。富野は自発的にガンダムの続編の企画を考え始めたと述べているが[16]、書籍『ガンダム神話Z』ではバンダイが提示した可変MSのアイディアに、続編制作に否定的だった富野が興味を持ったので製作に参加したとしている。

サンライズの井上幸一によると、まだ日本で放映されていない『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』の中で、敵に投げ飛ばされたロボットが地面に激突する直前に自動車に変形して着地し、そのまま方向転換して敵に突進しながら再びロボットに変形するシーン[17]を見た富野が「こういうスピード感のある変形をガンダムでやりたい!」と語ったそうである[18]。主役機のZガンダムは「大気圏突入が可能な変形をするガンダム」というコンセプトからスペースシャトルをモデルにしているが[13]、『トランスフォーマー』にもスペースシャトルに変形するロボットが登場する。井上幸一は本作を「ガンダム版トランスフォーマー」と述べている。

前作では敵メカは商品化を前提としていなかったが、本作の敵メカは前提としている。さらに前作はわずか3機の味方メカより敵メカの方が多く登場し、商品展開の観点からはバランスがとれているとは言えなかったが、そうした経緯からか本作ではMSの種類が飛躍的に増加している[19]。

本作の企画は『ダンバイン』の放映時から始まっている。間に『エルガイム』(富野曰く「捨て駒」[16])の放映期間を挟むので、本作はテレビアニメとしてはかなりの準備期間があった。ところがこのように長い準備期間にも関わらずZガンダムはその複雑なデザインや変形機構のため、デザイン決定や商品化が遅れた。このためΖガンダムの登場は第3クールにスケジュール変更された。Ζが登場するまでの2クールの主人公MSをどうするかが問題になり、「MSV(モビルスーツバリエーション)」の流れを取り入れることが提案された。MSVは模型オリジナルなので認知度が低いと考えられており、テレビに登場させることで認知度を上げようとしたのである[13]。富野などの一部のスタッフから反対もあったものの、この提案は採用され、MSVのフルアーマーガンダムとヘビーガンダムの元になった「強化されたガンダム」をモデルとしたガンダムMk-IIが主人公機になった[13]。

このようにガンダムMk-IIは間に合わせで出た存在であり、Zガンダムが劇中に登場し、プラモが発売される8月以降が本番とバンダイは考えていた[20]。ところが8月の夏休み商戦までは好調だったもののZガンダムが活躍する第3クールで売上が失速した。このため「話が難しい」「ストーリーが暗い」など本作に対する批判がバンダイ社内から起きた。こうした批判は同時期に企画が進行していた『機動戦士ガンダムZZ』に大きな影響を及ぼすことになる[21]。

MS(モビルスーツ)デザイン
前作で登場したデザインの系譜を受け継ぎ、なおかつ新しいものを生み出すという意図のもと、若い世代のデザイナーが多数参加した。

当初は富野の指示により、本作の前番組『エルガイム』のデザイナーである永野護がデザインを進めていたが、彼が提出したリック・ディアス、ガルバルディβが、サンライズ上層部での評価が芳しくなかったため永野は番組放送直前で降板。代わって、急遽前作のデザイナーである大河原邦男に加えて当時21歳の藤田一己が呼び寄せられ、永野、大河原のアイデアを藤田がまとめるという方式で作業が進められた(例えばガンダムMk-II、ハイザック、アッシマーは大河原→藤田、百式は永野→藤田という流れでまとめられている)。初代ガンダムはデザイン上の問題から模型化すると関節の可動に問題があったが、Mk-IIはこれを解消している。これはバンダイが模型で得たノウハウを本作のデザインに反映させたからである[13]。

最初に登場する数点のデザインワークが終了した後しばらくは、藤田一人がデザインを担当することとなったが、さらに多くの可能性を探るため終盤にかけては多くのデザイナーが登用された。後にΖΖガンダムをデザインすることになるイラストレーター/モデラーの小林誠を筆頭に、漫画家の近藤和久、アニメーターの大畑晃一、はばらのぶよし、デザイナーの佐山善則などが参加している。一度降板した永野にも再度発注が行われている(永野はキュベレイとハンブラビを提出)。

MSVからも数点のMSが登場している[22]。富野は7年間の時間の経過を強調する要素として、一年戦争当時の旧式MSの登場の必要性を感じ、特に一目でそれと分かるような外観に特徴があるものを中心に選んだという。

商業効果
本作は放映された年のガンプラの売上を倍増させるなど商業面では好調であり[24]、書籍によっては本作を商業的に成功とする向きもあるが[19]、川口克己は「バンダイ側の売り上げの期待値を達成できなかったんです。期待が大きすぎたというのもあるかもしれません」と述べている[25]。松本悟によるとデザインの複雑化によるコストアップのための商品価格の高騰が原因としている[26]。(初代ガンダムのガンプラは1/144で300円だったが本作は500円になった)。

1994年にバンダイビジュアルから発売されたLD-BOXはPart1、2ともに3万5千セットのヒットとなった。これは当時のバンダイビジュアルの売上の2割に相当した[27]。またオリコンLDチャートではPart1が2位、Part2が1位を記録。2001年にDVD-BOXが発売され、こちらは単品換算95万枚のヒットになった[19]。前述のLD-BOXを単品換算すると45.5万枚なので売上が大きく伸びている[28]。DVD-BOXと同時に発売された単品DVDと後のレンタルDVDを加えると128万枚に達している。

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2009年01月24日 13:19に投稿されたエントリーのページです。

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